落胆と希望

自分には子供が3人いる。
長男には後を継がせるつもりで仕事をさせていたが、あまりにも使えない。
本日、退職させた。


長女は、納棺師となるべく2日前、仙台へ奉公に出した。


次男は、まだ高校生。


右足を切断する時に家族会議したのを思い出す。
3人が力を合わせて後を継ぐという言葉を聞いて決意したというのに
自ら長男を外し、女性である長女に期待をし、次男は進みたい道があるという。



「子供に夢を託すな!」今、そういうCMが流れている。
ふざけるな!
世の中には「看板」を背負わせなきゃならない選択もあるんだよ。

そう、自分に言い聞かせる。
矛盾した理想と現実に戸惑っている。



仕事をしている娘の写真が上司からメールで送られてきた。
誇らしくも思う。素直に嬉しい。


と同時に3人の子供たちを均等に愛せているのか?
子供の幸せとは何か?
今更ながら自問自答する。


離婚した妻(母親)は、きっと言うだろう。
「あなた達の事は、一日たりとも忘れたことなどなかったのよ!」
なんて楽ちんで無責任な言葉だろう?


そうそう、もう一つ思い出した。
別れる妻に言われた。
「掃除や料理ができなくても、私を選んだ貴方が悪いのよ」と。
返す言葉が無かった。


ユーイング肉腫の治療をしているとき、もう死ぬかもしれないと半分諦めていた。
「子供たちのこと」、「仕事」、「足の痛み」で夜も眠れなかった。
それを見かねて看護師が声をかけてくれた。
そしてその時抱えていた負の思いを聞いてくれた。


その時にこの言葉で励まされた。
「子供は生まれてくるときに、あなたを選んでこの世に生まれてくるんだよ!
 まして苦労することを理解した上であなたの元にきた。」


今、私は2人の子供に苦悩を与えてしまった。
「俺を選んだ君たちが悪いんだよ」とは、
思うこともなければ口からでることもないのだが……


とても苦しい。










追記
離婚したころ子供に聞いてみた。お母さんの作ってくれた料理で食べたい料理は何?
1番目の回答:「白いご飯」
俺:「それって料理じゃないよ!他は?」
2番目の回答:「納豆!」
俺:「ネギをきざむとか、卵を混ぜるとかなら料理だけど、そのままだよね。料理じゃないよ」
3番目の回答:かなり悩んでから「おみそ汁」

そう答えた娘が、今、看板背負おうとしています。


3人ともガンバレ!