かあちゃんと、二人で食事。
前回、二人で食事したのはいつの事だっただろう。
もう、その記憶さえない。
その料理の味さえも記憶にない。
今日は、何も食べなくても、腹いっぱい。
熱の下がらない母は、結局入院することになった。
病室に移り、点滴が終わり、昼食。
横たわり俺のほうに、顔を向ける母。
息子が目の前にいるとも知らず、口を開ける母。
スプーンで食べさせて上げているのだけれど、
「焼き魚、美味しいですか?」
「芋は、美味しいですか?」
「おかゆは、美味しいですか?」
少ない会話にうなずく母の目の前で、涙をこらえるのは、当然。
「(母さん!泣き虫だった俺。強くなったでしょ!)。」
30分のお食事会は、実に有意義な時間になった。